保育士が考えるおもちゃの意味とその心理
子どもは、遊びを通して社会性やルール・物事の道理を学んでいきます。その遊びをより豊かに広げてくれるおもちゃは、こどもの環境にとって大切なもののうちのひとつです。
年齢や発達段階に応じた多種多様なおもちゃや、保育士の意図によるおもちゃなど、子ども達が自由に選んで遊ぶことができる環境を整えることが大切です。おもちゃは、大人から一方的に与えられるのではなく、子どもがそれらの中から自ら選び、自ら手に取ってこそ、より豊かなものになります。自分でやりたいことを選び、時には一人でじっくり集中して、時には友達といっしょに遊びを発展させて、思い思いに遊ぶことが理想です。
そして、おもちゃが発達段階にあっているか、種類や数が満ち足りているか、ひとつのコーナーに子ども達が集中してトラブルが起きやすくなっていないか、子ども達がそれぞれに集中して遊べているかどうか、子ども達の姿の中に答えがあります。
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おもちゃを使うことの利点
・イマジネーションの世界に入り、自分なりの発想を広げることで想像力を培う。ごっこ遊びでは、ストーリーが必要です。ストーリーを広げる為のツールとしておもちゃが役に立ちます。
・発達段階にあったおもちゃを使うことで、指先の動きの発達を促し、色や数量、図形、文字への関心や、思考力の芽生えに繋がる。
・友達と一緒におもちゃをツールとした遊びを繰り広げることで、共同性や社会性を学ぶ。(物の貸し借り、順番、じゃんけんで決める等)
・おもちゃを使った遊びは、自分の好きなこと、得意なことに気付くきっかけに成り得る。
・大人が一緒の遊びをする際に接点をもちやすくなる。
おもちゃでなくてもいい?
その一方で、子どもの自由な発想は無限大で、大人にとってはおもちゃではないものでも、子どもはその面白さに気付き、遊びに発展することも多いです。
例えば、公園の落ち葉をみつけて触っているうちに、一枚一枚の形や色の違いに気付き、保育士に伝えてくる。そこから葉っぱを魚に見立てて、保育士が大きな円を地面に描いて池に見立てると、皆で魚釣りごっこに発展するようなことも。。。
また他の場面では、子どもがティッシュを箱からどんどん出して投げることが遊びとなり、親は困ってしまうこともありますが、子どもにとっては、くしゅくしゅの感触の素材を引っ張り出す面白さ、いつまで続いていつおわりがくるのかな、と関心があるのかもしれません。「これは本来の使い方ではないから。」と大人の都合で境界線を作ってしまいがちですが、こどもの「今、楽しい。」という気持ちを大人が認めてあげることで、遊びはどんどん広がっていきます。
幼児になり、廃材を使って製作することも、場数をこなすと楽しくなってきます。ものを作り出す楽しさや喜びを知っている子は、トイレットペーパーの芯や、牛乳パック、段ボールなど、大人にとってはゴミと思うようなものでも、「廃材製作に使うんだ!」と、宝物を抱えるようにみせてくる姿があり、発明家さながらの発想力を発揮する子もいます。
いずれの場合でも、子どもの「今、楽しい。おもしろい。」という気持ちを大人が認め、その発見に対して敬意を持つこと、自由な発想を存分に発揮できる環境を作ることは、その子の可能性を伸ばすことに繋がります。
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