研究の種類(方法)を決める

大学院を目指すなら・・・

大学院を目指すなら、既存の知識がきちんとレビューされた、質問紙を使った仮説検証型研究が無難

目次

研究と勉強の違い

研究(知識の生産)

人類全体が歴史を通して行ってきた知識の獲得活動に参加し、より多くの人々が意外性、確実性や実用的価値を感じる「新しい判断(命題)」を加えること。

勉強(知識の吸収)

すでに蓄積されている情報にアクセスして知識にすること。

良い研究とは

既存の知識を含んでいる

ひとりよがりでなく、既に知られていることを生かしたもの。
その学問で蓄積されてきた知識に新たな知見、理論が付け加えられている。

情報的価値がある

意外性と確実性の両立
意外性:意外な事実や法則
確実性:
①客観性:誰がやっても(客観性)、
②再現性:いつどこでやっても(再現性)、
③理論性:きちんと説明できる(理論性)

実用的価値がある

研究で得られた知見や理論を応用することによって、私たちの生活にどれだけ豊かになるのか。
特に臨床心理学の領域では求められる部分です!
それを調べて何になるのか。
  ⇔逆に研究が社会に対して何らかの悪影響を及ぼすことがないか

研究の種類

第一の分類 探索型VS仮説検証型

探索型研究

興味のある対象について多くの情報を収集することからはじめ、そこから何らかの一般的な結論を提出していく。

仮説検証型研究

あらかじめ立てた仮説が正しいとするとどのような結果が生じるか、逆に正しくなければどのような結果になるかを予測して、研究をする。

第二の分類 データの種類

量的データ

数値で表現されているデータのこと
平均値や標準偏差、相関係数などの統計的な指標で分析する。
ex.得点、指数、生理指標

質的データ

文章で表現されるデータ納品ことを質的データのこと
量には還元しにくい内容的な側面に着目して考察する。
ex.会話 心理臨床の面接 当事者の本

第三の分離 データを取る方法

質問紙法

質問紙への回答からデータを収集する方法。他の研究法と併用されることも多い。調査者が選択肢を用意する形式(量)と、調査対象者が自由に文章で回答する形式(質)がある。多くの変数に関する情報を多くの対象者について一度に入手できる調書。しかし、回答者の置かれた状況を統制しにくいことが短所。

実験法

調査対象を観察することによるデータ収集法。目的としている事象の生起の時・場所を選べず追試ができないので、検証的に使用できないがビデオ等の利用により繰り返しの分析が可能。

観察法

実験者が特定の条件を作り出し、その条件下で客観的に行動観察を行う方法。再現が可能で、法則をとらえられるという長所をもつ反面、人工的な場面になり現実社会における現象とは遊離したものになりやすいという短所。

面接法

面接者が被面接者と1対1、あるいは集団で直接対面し会話を交わすことによるデータ収集法。可能な対象者が広く、対象者の考えをより明確にできる長所。しかし、実施に時間がかかるのと大量なデータを取るのが難しい短所がある。

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この記事を書いた人

沢 哲司(医学博士/臨床心理士/公認心理師)のアバター 沢 哲司(医学博士/臨床心理士/公認心理師) 医学博士/臨床心理士/公認心理師

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