パーソナリティと査定② 質問紙法と、検査の信頼性|院試塾 3限目②

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院試塾 3限目②。出題率が2番目に高い領域、パーソナリティと査定の2本目です。この動画では、心理検査の3つの分類(質問紙法・投影法・作業検査法)と、それぞれの長所と短所、質問紙法の代表的な検査(YG性格検査・MMPI・MPI・エゴグラム・CMI)、不安を測る検査(MAS・STAI)、作業検査法の内田クレペリン検査、そして、どの検査にも共通する信頼性・妥当性・標準化を扱います。

目次

動画② 質問紙法と、検査の信頼性

3限目②の頻出語マップ

この動画で覚える 12 語

語を押すと、過去問での出題率・動画のその場面・テキストの該当箇所が開きます。青は、直近の入試でも出題が続いている語。

動画② パーソナリティと査定② 質問紙法と、検査の信頼性(12語)

テキスト

この動画の内容を、答案に書ける順に文章にまとめる。検査の名前は多いが、覚え方は決まっている。作った人、測るもの、そして長所と短所である。この3点がそろえば、どの検査でも200字が書ける。

心理検査の3つの分類

パーソナリティの検査は、方法によって3つに分かれる。

質問紙法投影法作業検査法
方法決まった質問に、はい・いいえなどで答えるあいまいな刺激への反応から、パーソナリティを読み取る単純な作業をしてもらい、その経過と結果から読み取る
長所実施と採点が簡単で、集団にも使える。結果に、検査者の主観が入りにくい—(3本目)言葉に頼らない。答えを変えにくい
短所答えを意図的に変えられる(自分を良く見せられる)。本人が意識している範囲しか分からない—(3本目)分かることが限られる。本人の意欲に左右される
代表的な検査YG性格検査、MMPIロールシャッハ・テストなど内田クレペリン検査

質問紙法

質問紙法は、決まった質問に、はい・いいえなどで答えてもらう方法である。長所は、実施と採点が簡単なこと、集団にも使えること、結果に検査者の主観が入りにくいことである。短所は、答えを意図的に変えられること、そして、本人が意識している範囲しか分からないことである。代表的な検査は、YG性格検査とMMPIである。

投影法

投影法は、あいまいな刺激への反応から、パーソナリティを読み取る方法である。代表的な検査は、ロールシャッハ・テストなどである。詳しくは3本目で扱う。

作業検査法

作業検査法は、単純な作業をしてもらい、その経過と結果から読み取る方法である。長所は、言葉に頼らないことと、答えを変えにくいことである。短所は、分かることが限られることと、本人の意欲に左右されることである。代表的な検査は、内田クレペリン検査である。

質問紙法の代表的な検査

質問紙法の代表的な検査は、まず3つ覚える。YG性格検査、MMPI、MPIである。

検査正式な名前作った人測るもの
YG性格検査矢田部ギルフォード性格検査ギルフォードの検査をもとに、矢田部達郎が原型を作り、辻岡美延が整えた12の特性のプロフィールと、5つの類型
MMPIミネソタ多面的人格目録ミネソタ大学のハサウェイとマッキンレイ臨床尺度と、妥当性尺度
MPIモーズレイ人格目録(モーズレイ性格検査)アイゼンク外向性と、神経症傾向

YG性格検査

YG性格検査は、正式には矢田部ギルフォード性格検査である。ギルフォードの検査をもとに、矢田部達郎が原型を作り、辻岡美延が、いまの12の尺度、120の項目の形に整えた。3つの選択肢で答える。

結果は、12の特性のプロフィールとして読める。さらに、5つの類型にも分類できる。特性論と類型論の、両方から読める検査である。

MMPI

MMPIは、ミネソタ多面的人格目録である。覚える数字は550である。ミネソタ大学のハサウェイとマッキンレイが作った。550の項目に、当てはまるか、当てはまらないかで答える。

特徴は、2種類の尺度を持つことである。

  • 臨床尺度:抑うつや、心気症などの傾向を測る
  • 妥当性尺度:受検の態度を確かめる尺度。虚偽尺度(L尺度)も、その1つである。自分を良く見せようとしていないか、でたらめに答えていないかを、検査の中で確かめる

質問紙法の短所を、検査の中で補っている。ここが、MMPIのいちばんの特徴である。項目が多く、受ける人の負担が大きいことが短所である。

MPI

MPIは、モーズレイ人格目録である。モーズレイ性格検査とも呼ばれる。アイゼンクが作った。外向性と、神経症傾向の2つを測る。

エゴグラム

エゴグラムは、交流分析の理論にもとづく検査である。交流分析は、バーンが始めた理論で、人の心に、親・大人・子どもの3つの自我状態があると考える。親を2つ、大人を1つ、子どもを2つに分けて、5つになる。

略称自我状態
CP批判的な親
NP養育的な親
A大人
FC自由な子ども
AC順応した子ども

この5つに、心のエネルギーがどう配分されているかを、グラフにする。日本では、東大式エゴグラム(TEG)が広く使われている。結果が分かりやすく、本人と一緒に見ながら話し合える。自己理解の入口として、使いやすい検査である。

CMIと、不安を測る検査

CMIは、コーネル・メディカル・インデックスの略である。日本版は、コーネル健康調査表とも呼ばれる。コーネル大学のブロードマンらが作った。身体の自覚症状と、精神の自覚症状を、広く調べる質問紙である。病院で、心身症や神経症の可能性を、短い時間でふるい分けるために使われる。これを、スクリーニングと呼ぶ。

あわせて、不安を測る検査を2つ覚える。

  • MAS:テイラーが作った、顕在性不安尺度。慢性的な不安の水準を測る。MMPIの項目から作られた
  • STAI:スピルバーガーが作った。不安を2つに分けて測る。いまこの瞬間の不安が状態不安、不安になりやすい性格の傾向が特性不安である。この区別が、STAIの決め手である

作業検査法の代表:内田クレペリン検査

作業検査法の代表が、内田クレペリン検査である。2限目で出てきたクレペリンは、連続して足し算をするときの、作業量の変化を研究した。これをもとに、内田勇三郎が、日本で検査として完成させた。

  • 方法は単純である。となりあう1けたの数字を、ひたすら足していく。1分ごとに、行を変える
  • 前半15分、休憩5分、後半15分である
  • 1分ごとの作業量を線で結んだものを、作業曲線と呼ぶ
  • 健康な人に多い曲線の形を、定型曲線と呼ぶ

言葉に頼らず、集団でも実施できる。だから、採用や適性の検査としても使われてきた。

検査の品質:信頼性と妥当性

ここからは、どの検査にも共通する、検査の品質の話である。信頼性と妥当性は、研究法の問題としても出題される。

信頼性

信頼性とは、結果が安定していて、一貫していることである。何度測っても同じ結果になるか、という問いである。

妥当性

妥当性とは、測りたいものを、正しく測れていることである。本当にそれを測っているのか、という問いである。

体重計でたとえる。毎回同じ値を示す体重計は、信頼性が高い体重計である。けれども、体重計で身長は測れない。身長を知りたいのに体重計を使ったら、妥当性がない。

つまり、信頼性が高くても、妥当性が高いとは限らない。逆に、信頼性が低ければ、妥当性も高くならない。信頼性は、妥当性の前提条件である。この1文は、答案用紙にそのまま書ける。

信頼性の確かめ方

信頼性の確かめ方は、4つある。

  • 再検査法:同じ検査を、期間をあけて2回行い、2回の結果の相関を見る
  • 平行検査法:内容と難しさがよく似た検査を2つ作り、両方を行う
  • 折半法:1つの検査の項目を半分に分け、2つの得点の相関を見る
  • クロンバックのアルファ係数:項目どうしが、同じものを一貫して測っているかを見る。折半法を、一般化したものと説明される

折半法とアルファ係数は、どちらも、内的整合性を見る方法である。

妥当性の3種類

  • 内容的妥当性:項目が、測りたい内容を偏りなく含んでいるか。専門家が判断する
  • 基準関連妥当性:外の基準との関連。たとえば、入学試験の得点が、入学後の成績を予測できるか
  • 構成概念妥当性:その検査の結果が、理論から予測されるとおりになるか。いまは、これが妥当性の中心と考えられている

標準化

標準化とは、実施と採点の方法を統一し、基準となる標準得点を定めて、誰がいつ使っても同じように使えるものにする手続きである。手順は、5つで説明できる。

  1. 測りたいものを定義して、項目を作る
  2. 予備調査をして、項目を選ぶ
  3. 偏りのない大きな集団に実施して、平均とばらつきから、標準得点を作る。これが、個人の得点を解釈するための基準になる
  4. 信頼性と妥当性を確かめる
  5. 実施の方法と、採点の方法を統一して、手引きにまとめる

標準化された検査だからこそ、ある人の得点が高いか低いかを、言える。だから、手引きどおりに実施することが、検査者の責任になる。教示を勝手に変えると、基準と比べられなくなる。

答案でやりがちな間違い

  • 信頼性と妥当性を、逆に説明してしまう → 信頼性は、安定と一貫。妥当性は、測りたいものを測れているか
  • MPIの作成者を、ハサウェイとマッキンレイと書いてしまう → MPIを作ったのはアイゼンク。ハサウェイとマッキンレイは、MMPI
  • MASを、抑うつを測る検査だと書いてしまう → MASは、顕在性不安尺度。慢性的な不安の水準を測る

院試ではこう問われる(この動画のまとめ)

  1. 用語説明 ― 「質問紙法」「MMPI」「信頼性・妥当性」など。作った人 → 測るもの → 長所と短所 の順で書くと、どの検査でも200字になる
  2. 比較 ― 質問紙法の長所(簡単・集団に使える・主観が入りにくい)と短所(答えを変えられる・意識している範囲しか分からない)。臨床では、種類の違う検査を組み合わせて使う(テストバッテリー。3本目で扱う)
  3. 検査の品質 ― 信頼性は「安定して測れるか」、妥当性は「測りたいものを測れているか」。信頼性は妥当性の前提条件。信頼性の確かめ方は4つ、妥当性は3種類、標準化は5つの手順で答える

3限目②の課題:頻出語の200字と、論述800字

動画の終わりで出している課題と同じです。どちらも、院試の出題の形に合わせて、この塾で作った課題です。

課題1 用語説明(各200字)
この動画の終わりに出てくる頻出語(12語)を、1語ずつ200字で説明してください。「ひとことの定義 → 外せないキーワード → 人物・分類名と、対応する内容 → 似た語との違い」の順で書くと、200字になります。

課題2 論述(800字)
質問紙法の長所と短所を述べ、心理検査を臨床で用いるときの留意点を論じなさい(信頼性と妥当性に触れること)。

段落は3つで書けます。質問紙法の長所と短所、信頼性と妥当性、そして臨床で用いるときの留意点の順です。

書いたら「できた!」を押す。頻出語の200字と、論述の模範解答は、学生証(無料登録)で読めます。

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臨床心理アセスメントの基礎[第2版]

沼初枝 著/ナカニシヤ出版(2020年)

面接と心理検査の基礎を、図表を多く使って解説した教科書です。この動画で扱った質問紙法の章と、次の動画で扱う投影法の章が、そのまま読み進められます。動画のあとに該当の章を開くと、検査の名前と中身がつながります。2020年の第2版なので、公認心理師法、DSM・ICDの改訂、知能検査の改訂にも対応しています。

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この授業について
大量の過去問を AI で分析し、大学院と院試専門の塾で教えていたスタッフが制作・監修しています。ナレーションは合成音声です。公開前に人が内容を確認しています。
知識は AI で広く。関係は人で深く。知識は無料で届けます。心のことは、人から、関係の中で学ぶものだと考えています。AI の時代に心理士を目指す人にこそ、対面で、人との関係の中で受けるスーパービジョンと師弟関係を大事にしてほしいと思っています。
▶ 院試塾 時間割▶ 学生証(無料登録) ※ 過去問の問題文そのものは各大学の著作物のため、扱っていません。
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この記事を書いた人

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FromU 心理支援ラボの編集チームです。臨床心理系大学院で教えてきた教員と、心理面接に携わる公認心理師・臨床心理士が、院試塾のテキストと講義を作っています。知識は無料で広く。心のことは、人から、関係の中で。ラボでは、スーパービジョンと学びの場を開いています。

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