頑固な職人を攻略する方法




みなさんの周りに「頑固」者っていませんか?子供が頑固だったり、上司が頑固だったり、先生が頑固だったり・・・周りの空気を読まず、自分の道を突き進む頑固な性格の人、こだわりが強い子どもはあふれています。そこを攻略するとっておきの方法を記事にしました。

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頑固への攻略は、その頑固さをくすぐる

 これは、どういうことかというと、その人が頑固に大事にしている事柄を見抜き、それを認めるという作業です。それって、「引いてダメなら、押してみろ」に近いような、「北風と太陽」に近いような、遠いような・・・
 と、比喩表現に悩んで前に進めず困っているライターを見つけたら、『わかりやすく表現することを大事にされているんですね。』と優しく声をかえてあげましょう。きっと、自信を取り戻して次のトピックに筆をすすめてくれるはずです。

 そうなんです!その人が「頑固」に守っていることや、「こだわっている」ことは、その人の「やりたい!」が強い部分なので、それを認めてあげると、関係が良くなるし、状況が前にすすんでいくはずです。逆にこちらも頑なに相手の頑固を認めない状況に陥った場合に、外から見えるものは、それは二つの大きな頑固です。

寿司屋の職人って、なんであんなに頑固なの?

 具体例をいいますけれど、まーここは読み飛ばしてもらってもいいです。半分愚痴です。さっき、小腹が空いた14時過ぎに初めての寿司屋に行ったんですよ。いや、もう、外見から分かってたんですよ。頑固職人がいるに違いないって。なんていうんですか?河童のかわいいキャラとか微塵も感じない、中が見えない、重い扉の板前感バリバリの寿司屋ですよ。

 で、入ったら、愛想の無い大将がブラウン管テレビを見ている最中で、客の僕に気が付くとムス―っと…

「見てね!」っていうわけです。

 いや、これ、人が人ならここでパニックですよ。ギリ僕は、これでも色々な人に出会ってきていますから、(あー表のメニュー『見て』注文言ってね。)ってことか、とギリ理解できて、

「あ、ランチセットください。」

というわけですよ。そしたら、大将は「いや!だから見てねって言ったでしょう。」というわけですよね。ここで僕はパニくりました。何を「見る」べきなのか?もう、ほとんど見ることができないブラウン管テレビに映る刑事ドラマの殺人現場シーンか?それとも、奥から不安そうに様子を伺っている女将さんか?はたまた・・・と考えていると、

「いや、だからね!ニギリなのか、チラシなのか、人によって好みが違いますからね!」

というわけです。もう、よく確認していなかったけれど、きっとランチセットの下にそういう文言が書かれていたのだろうと、やっと理解して

「あ、ごめんなさい。私の確認不足でございました。ニギリでお願いします。」といえば、僕も大人だったかもしれませんが、

「いや、わかんないから。」と、いくばくかの反抗をしたところ、華麗にスルーされて結局「ニギリでお願いします。」とひれ伏し、第一ラウンド終了。

もうね。そりゃ、頭の中は、アスペルガーなんじゃないの?だいたい、字も下手すぎるだろう。LDなんじゃないの?とグツグツ機嫌が悪くなっているわけですが、だいたいこうやって専門家きどりで診断しはじめるときは見失っているときなので、よく考察することにしたんですよ。

こっちも専門家の穴に閉じこもろうとしたけれども向うは向こうで、メニュー表はクサだのギョクだのムラサキだの専門用語で全然なに書いてあるかわからない。

だけれども、大将、とにかく、仕事が丁寧。
やっぱりこういう人って、包丁を握っているときってオーラが違いますよね。

文字通り「真剣」なんです。

そして、出てきた寿司は、もちろん、

最高においしい!

寿司の表現ができない限界がここにあるけれども、とにかく口に入れたらトロがトロけるとかじゃない!シャリが自然と口の中でくずれていく感じ。

すごい技ですよね。

その寿司屋は、イイ寿司提供に頑固一徹

というわけで、その寿司屋は、「イイ寿司提供」に頑固一徹なわけです。いい接客、きれいな外装、素敵なウェイター、そんなものに大将の「イイ寿司」は拡散していない。

ただ、客の目の前に提供する寿司だけに正対して寿司を提供しているわけです。
そこにこだわりたいわけです。

であれば、頑固さを崩したいこちらの対応は、ある意味とても簡単。目の前の寿司を褒めればいいだけです。

髪型変えたの?とか、痩せたね?の周囲の情報を感じ取って、しかも感じ取っちゃいけないかもどうか感じ取って発言する世界よりもある意味簡単。

その人が頑固一徹にこだわっている寿司の提供に本当に美味しいと思ったら「美味しい」と伝えるだけ。

僕もそうしたわけです。「大将、この寿司美味しいですね!」と。

すると、もう決壊したダムのように、硬いものは壊れたら早いもので、チェーン化する寿司界の現状や、自分の年齢や、弟子育成についてのポリシーやら、もうすごい語ってくるわけ。「どうせ、俺はネットでは叩かれてるんだ」といいだす始末(マジ)。

さっきの「見てね」最小限情報提供スタンスはどこにいったのかしら。

というわけで、心理臨床でも、「頑固」「融通が利かない」「こだわり」とか言われて、周囲が対応や理解に困っているケースほど、その大事にしている部分を「承認」して、くすぐれば、相手と理解でつながりやすいのではないかという話でした。

それって、髪型の変化を気にしてほしい女子より攻略が楽なんじゃないか…?

ただし、頑固な人は、こっちを頑固に見抜く力もあるので、多様な価値観をもって、本当にそれが「良い」と思わないと、それを伝えても共鳴は起きないのが難しいところですが。

ちなみに、とりあえず、「髪切ったら褒めとけ!」という発言は、どのタイプにも怒られます。

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この記事を書いた人

沢 哲司(医学博士/臨床心理士/公認心理師)のアバター 沢 哲司(医学博士/臨床心理士/公認心理師) 医学博士/臨床心理士/公認心理師

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