精神分析 発達論① 乳幼児期の発達|院試塾 7限目①

院試塾 7限目① 精神分析 発達論 乳幼児期の発達
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院試塾 7限目①。精神分析 発達論の、1本目です。乳幼児期の発達を、人名と学説を組にして整理します。7限目の1本目です。この動画では、乳幼児期を見る3つの目、フロイトの心理性的発達、エディプス・コンプレックス、マーラーの分離個体化、ボウルビィの愛着、ストレンジ・シチュエーション法、安全基地と内的作業モデル、マターナル・デプリベーションとホスピタリズムを扱います。

目次

動画① 乳幼児期の発達

7限目①の頻出語マップ

この動画で覚える 11 語

語を押すと、過去問での出題率・動画のその場面・テキストの該当箇所が開きます。青は、直近の入試でも出題が続いている語。

動画① 精神分析 発達論① 乳幼児期の発達(11語)

テキスト

この動画の内容を、答案に書ける順に文章にまとめる。7限目の1本目は、乳幼児期の発達である。精神分析のパーソナリティ論は、5限目で終わった。この回は、そのパーソナリティが、赤ちゃんのころから、どう育つのかを見ていく。院試では、アタッチメント、つまり愛着の用語説明が定番である。近年は、穴埋めで、安全基地や、ストレンジ・シチュエーション法が出ている。人名と学説を、組にして答えさせる形も、くり返し出ている。この回で、その組を整理する。

乳幼児期を見る3つの目

乳幼児期を見る目は、大きく3つある。

  1. フロイト。5限目のリビドー、つまり性の欲動のエネルギーが、体のどこに向かうか、その移り変わりを見る
  2. マーラー。母親と子どもが、どう離れていくかを見る
  3. ボウルビィ。母親と子どもが、どんなきずなを結ぶかを見る

欲動と、分離と、きずなである。この3つの目を、頭に置いて読む。

心理性的発達

まず、フロイトの、心理性的発達である。リビドーが向かう体の部位が、移っていく。順に、次のとおりである。

  1. 口唇期。乳を吸う、口の快感
  2. 肛門期。トイレットトレーニングを通して、自分でコントロールすることを学ぶ時期
  3. 男根期。次に述べるエディプス・コンプレックスが起こる
  4. 潜伏期。性的な欲求が抑えられて、知識や技術を身につける時期
  5. 性器期。思春期以降

よく出る罠がある。フロイトの言う性欲は、性器の快感だけではない。体のさまざまな部分の刺激から得られる快感全般を指す。各期の年齢は、資料によって違う。年齢を覚える必要はない。順序と、特徴を押さえる。

ある時期に、欲求が満たされなさすぎたり、満たされすぎたりすると、その時期のあり方が、のちまで残る。これを、固着と呼ぶ。退行は、5限目で扱った。

エディプス・コンプレックス

次に、エディプス・コンプレックスである。男根期に起こる。流れは、次のとおりである。

  1. 異性の親に、愛着を向ける。そして、同性の親には、敵意や、競争心を向ける。その結果、不安や、罪の意識が生まれる
  2. 男の子の場合、同性の親から罰せられる恐れを抱く。これを、去勢不安と呼ぶ
  3. この不安から、異性の親への願いを、あきらめる。そして、同性の親に、同一化する
  4. こうして、同性の親の禁止や、価値観が、内側に取り入れられる。これが、超自我の形成である。超自我は、5限目で扱った

この時期を通って、母と子の二者の関係から、父を加えた、三者の関係へと進む。

マーラーの分離個体化

3つめの目は、マーラーである。マーラーの分離個体化と呼ばれる。

マーラーは、母親と子どもを、直接観察した。フロイトが、大人の回想から、子ども時代を再構成したのとは、対照的である。そして、欲動ではなく、母親との関係に注目した。

子どもは、母親と一体の状態から、少しずつ、自分と他者を分けていく。その順は、次のとおりである。

  1. 正常自閉期
  2. 正常共生期
  3. 分化期
  4. 練習期
  5. 再接近期
  6. 個体化期

とくに大事なのが、再接近期である。母親から離れて歩けるようになった喜びと、同時に、分離不安が高まる。離れたい気持ちと、近づきたい気持ちの、葛藤が起こる。

この葛藤を通り抜けると、母親の姿を、自分の内側に持てるようになる。すると、母親が目の前にいなくても、安定していられる。これを、対象恒常性と呼ぶ。

月齢は、覚えなくてよい。順番と、再接近期の葛藤を、押さえる。

アタッチメント ボウルビィの愛着

最後の目は、ボウルビィの、アタッチメントである。愛着と訳す。

アタッチメントとは、特定の養育者に対する、情緒的な結びつきである。ボウルビィは、依存という言葉を避けて、この言葉を使った。

乳幼児には、次の3種類の行動がある。これらを、愛着行動と呼ぶ。

  • 発信の行動。泣く、笑う、声を出す
  • 定位の行動。目で追う、声のほうを向く
  • 接近の行動。近づく、しがみつく

愛着は、段階を経て、発達する。

  1. はじめは、誰に対しても、同じように働きかける
  2. やがて、特定の人に向けるようになる
  3. さらに、離れても、相手が戻ってくると信じられるようになる

こうして、乳幼児期の愛着が、のちの対人関係の、土台になる。

ストレンジ・シチュエーション法

愛着の個人差を調べる方法が、ストレンジ・シチュエーション法である。エインズワースが開発した。

満1歳前後の乳児が、母親と一緒に、見知らぬ部屋に入る。そこで、見知らぬ人に会う。母親が部屋を出て、また戻ってくる。この、分離と再会のときの反応を見て、分類する。

分類は、4つである。

  • A 回避型
  • B 安定型
  • C アンビバレント型。抵抗型とも呼ばれる
  • D 無秩序・無方向型。被虐待児に多いとされる

記号と名前は、組にして覚える。

安定したBの子は、母親がいなくなると、泣いて探すが、戻ってくると、喜んで迎え、落ち着く。

安全基地と内的作業モデル

愛着には、あと2つ、大事な用語がある。

  1. 安全基地。子どもは、養育者を、安全の拠り所にして、まわりを探索する。怖くなったら、そこへ戻る。ボウルビィの愛着理論の、中心になる考えである。近年の出題では、エインズワースが提唱した概念として出ている
  2. 内的作業モデル。内的ワーキング・モデルとも呼ぶ。乳幼児期の愛着が、内面化されたものである。自分や、他者についての、期待の枠組みとなる。乳幼児期が終わっても続き、対人関係の規範として働く

デプリベーションとホスピタリズム

混同しやすい、2つの用語を並べる。

  • マターナル・デプリベーション(母性剥奪)は、ボウルビィの用語である。母親との関係が、不十分な状態を指す
  • ホスピタリズムは、スピッツの研究である。乳児院などの施設で育った乳児に見られる、心や体の発達の遅れである

人物を、取り違えない。ボウルビィは、母性剥奪。スピッツは、ホスピタリズムである。デプリベーションは、デプリヴェーション、ディプリベーションなど、表記がゆれる。

人名と学説の対応

人名と学説の組を、確認する。

  • フロイト = リビドー
  • マーラー = 分離個体化
  • ボウルビィ = 愛着
  • エインズワース = ストレンジ・シチュエーション法

人名と学説を、組にして答えさせる形は、くり返し出ている。声に出して、組で覚える。

答案でやりがちな間違い

  • 再接近期を、母親から離れる喜びだけの時期と書いてしまう。離れたい気持ちと、近づきたい気持ちの、葛藤が特徴である
  • フロイトの性欲を、性器の快感だけと書いてしまう。体のさまざまな部分の快感全般を指す
  • ストレンジ・シチュエーションの、記号と名前を、取り違えてしまう。A回避、B安定、Cアンビバレント、D無秩序・無方向である

7限目①のまとめ

まとめる。フロイトは、欲動の移り変わりを、描いた。心理性的発達と、エディプス・コンプレックスである。マーラーは、母親からの分離を、描いた。山場は、再接近期の葛藤である。ボウルビィは、母親との、きずなを描いた。愛着、安全基地、内的作業モデルである。そして、エインズワースが、愛着の個人差を、ストレンジ・シチュエーション法で調べた。

次の回は、エリクソンである。青年期の、アイデンティティまで進む。

院試ではこう問われる(この動画のまとめ)

  1. 人名と学説は組で ― フロイト=リビドー(心理性的発達・エディプス)、マーラー=分離個体化、ボウルビィ=愛着、エインズワース=ストレンジ・シチュエーション法
  2. アタッチメント(愛着) ― 特定の養育者との情緒的な結びつき。愛着行動(発信・定位・接近)、安全基地、内的作業モデルまで書く。ストレンジ・シチュエーションは、記号と名前を組にする(A回避・B安定・Cアンビバレント・D無秩序・無方向)
  3. 混同に注意 ― 再接近期は喜びだけでなく葛藤の時期。フロイトの性欲は性器の快感だけではない。マターナル・デプリベーションはボウルビィ、ホスピタリズムはスピッツ

7限目①の課題:頻出語の200字と、論述800字

動画の終わりで出している課題と同じです。どちらも、院試の出題の形に合わせて、この塾で作った課題です。

課題1 用語説明(各200字)
この動画の終わりに出てくる頻出語(11語)を、1語ずつ200字で説明してください。「ひとことの定義・しくみ・日常の例・似た語との違い」を入れると、200字になります。

課題2 論述(800字)
ボウルビィの愛着理論を、愛着の発達、ストレンジ・シチュエーション法による類型、内的作業モデルを含めて論じなさい。日常の場面の例を1つ用いること。

段落は3つで書けます。1つめは、愛着とその発達。2つめは、ストレンジ・シチュエーション法による類型。3つめは、内的作業モデルの順です。

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『改訂 精神分析的人格理論の基礎』の表紙

改訂 精神分析的人格理論の基礎

馬場禮子 著/岩崎学術出版社(改訂版 2016年)

この回で扱ったフロイトの発達論とマーラーの分離個体化を、1冊の中で順に読める本です。目次には、フロイトの発達論の章と、マーラーの分離−個体化の章があり、後者は正常な自閉期から、共生期、分化期、練習期、再接近期、そして情緒的対象恒常性の始まりまで、節を分けて説明しています。大学院の講義をもとにした話し言葉なので、用語を、たとえ話をまじえて読めます。ボウルビィのアタッチメントや、安全の基地としての母親にも、マーラーの話の中で触れています。なお、著者は自我心理学の立場で書いており、愛着理論そのものを説明する本ではありません。ストレンジ・シチュエーション法は載っていないので、その部分は、この動画とテキストで補ってください。

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この授業について
大量の過去問を AI で分析し、大学院と院試専門の塾で教えていたスタッフが制作・監修しています。ナレーションは合成音声です。公開前に人が内容を確認しています。
知識は AI で広く。関係は人で深く。知識は無料で届けます。心のことは、人から、関係の中で学ぶものだと考えています。AI の時代に心理士を目指す人にこそ、対面で、人との関係の中で受けるスーパービジョンと師弟関係を大事にしてほしいと思っています。
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この記事を書いた人

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FromU 心理支援ラボの編集チームです。臨床心理系大学院で教えてきた教員と、心理面接に携わる公認心理師・臨床心理士が、院試塾のテキストと講義を作っています。知識は無料で広く。心のことは、人から、関係の中で。ラボでは、スーパービジョンと学びの場を開いています。

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