人間性心理学② ロジャーズ以降の人間性心理学|院試塾 8限目②

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院試塾 8限目②。人間性心理学です。ロジャーズ以降の人間性心理学を、院試で問われる形に整理します。8限目の2本目です。この動画では、マズローの欲求階層説、ジェンドリンのフォーカシング、パールズのゲシュタルト療法、フランクルの実存分析、バーンの交流分析を、人名と考え方の組で整理します。

目次

動画② ロジャーズ以降の人間性心理学

8限目②の頻出語マップ

この動画で覚える 10 語

語を押すと、過去問での出題率・動画のその場面・テキストの該当箇所が開きます。青は、とくに出題の多い語。

動画② 人間性心理学② ロジャーズ以降の人間性心理学(10語)

テキスト

この動画の内容を、答案に書ける順に文章にまとめる。8限目は、人間性心理学である。2本に分け、この回は2本目の、ロジャーズ以降の人間性心理学である。1本目では、ロジャーズの来談者中心療法を見た。この回では、その後に広がった、5つの考え方を、人名と考え方の組で整理する。

院試では、人名と心理療法の組を、答えさせる形が、くり返し出ている。アルファベットのつづりで、選択肢に出ることもある。そこで、このテキストでも、英字の表記を併記する。とくに出題の多い語は、ゲシュタルト療法、交流分析、マズローである。

マズローの欲求階層説

まず、マズロー(Maslow)である。1本目で話した、第三の勢力という呼び名は、マズローのものであった。マズローは、人間の欲求を、5つの階層に並べた。欲求階層説である。欲求の5段階説とも呼ばれる。

  1. 生理的欲求。食べる、眠るといった、生きるための欲求
  2. 安全の欲求。安心して、安定して暮らしたい、という欲求
  3. 所属と愛の欲求。仲間や、つながりを求める欲求
  4. 承認の欲求。尊敬や、評価を求める欲求。尊敬承認の欲求とも呼ばれる
  5. 自己実現の欲求。自分の可能性を、発揮したいという欲求

下の4つは、欠乏欲求と呼ばれる。満たされないと、満たそうとする欲求である。頂点が、自己実現の欲求である。階層の順番は、選択肢から選ばせる形で、出ている。5つの名前を、順に言えるようにする。

注意が1つある。ロジャーズの実現傾向と、マズローの自己実現の欲求は、別の語である。ロジャーズは、実現傾向。マズローは、自己実現の欲求である。言い分ける。

フォーカシング

次に、ジェンドリン(Gendlin)の、フォーカシングである。

ジェンドリンは、ロジャーズの弟子であり、共同研究者であった。人間の体験を、刻々と続いていく過程としてとらえ、体験過程と呼んだ。ジェンドリンの心理療法は、体験過程療法と呼ばれる。

その中心になる技法が、フォーカシングである。ことばになる前の、身体で感じている、漠然とした感じに、注意を向ける。この感じを、フェルトセンスと呼ぶ。

人名と心理療法の組では、ジェンドリンは、フォーカシングである。ブリーフセラピーと、取り違えない。

ゲシュタルト療法

次は、パールズ(Perls)の、ゲシュタルト療法である。ゲシュタルトとは、全体性をもった形、という意味である。ゲシュタルト療法は、今、ここでの体験を通して、自分の全体性を取り戻すことを重んじる。

キーワードは、図と地である。いま注意が向いているものが、図。背景になっているものが、地である。気づきを通して、図と地の関係を、とらえ直していく。図と地の説明から、心理療法の名前を答える穴埋めが、近年の入試で出ている。

そして、今、ここでの体験を重んじる。創始者は、パールズである。

ゲシュタルトの3つ

ゲシュタルトの名前がつくものは、ほかに2つある。ゲシュタルト心理学と、ベンダー・ゲシュタルト検査である。3つを仕分ける。

  • ゲシュタルト療法 = 図と地への気づきを通して、今、ここの体験を重んじる心理療法。パールズ
  • ゲシュタルト心理学 = 知覚は、バラバラの要素ではなく、まとまりとして成り立つと考える心理学
  • ベンダー・ゲシュタルト検査 = 図形を模写してもらう検査

名前は似ているが、心理療法と、心理学と、検査で、別のものである。

実存分析(ロゴセラピー)

次は、フランクル(Frankl)の、実存分析である。ロゴセラピーとも呼ばれる。

フランクルは、人間を、自由と責任のある存在としてとらえた。そして、人間は、意味を求めて生きる存在だと考えた。

人名と心理療法の組では、フランクルは、実存分析、つまり、ロゴセラピーである。名前が似た、現存在分析は、ビンスワンガーの立場である。別のものである。

交流分析

次は、バーン(Berne)の、交流分析である。

人間の行動を理解する理論体系で、人と人との、やりとり、つまり交流を分析する。人間性心理学のなかに位置づけられる。今、ここでの体験を重んじる点も、特徴である。

分析は、4つある。

  • 構造分析。自分の内側の、自我状態を分析する。親、大人、子どもの、3つである
  • 交流パターン分析。2人の間の、やりとりを分析する
  • ゲーム分析。悪循環に陥っている、対人関係のパターンを分析する
  • 脚本分析。人が従ってしまっている、人生の脚本を分析する

4つの名前と、バーンとの組を、答えられるようにする。

人名と考え方の対応

人名と考え方の組を、確認する。英字の名前でも、答えられるようにする。

  • ロジャーズ(Rogers) = 来談者中心療法
  • マズロー(Maslow) = 欲求階層説
  • ジェンドリン(Gendlin) = フォーカシング
  • パールズ(Perls) = ゲシュタルト療法
  • バーン(Berne) = 交流分析
  • フランクル(Frankl) = 実存分析(ロゴセラピー)

選択肢で、人名と心理療法の組を、間違えさせる出題がある。たとえば、ジェンドリンと、ブリーフセラピー。この組は、誤りである。声に出して、組で確かめる。

答案でやりがちな間違い

  • ロジャーズの実現傾向と、マズローの自己実現の欲求を、混ぜてしまう。ロジャーズは、実現傾向。マズローは、自己実現の欲求である
  • ゲシュタルト療法を、ゲシュタルト心理学や、ベンダー・ゲシュタルト検査と、書いてしまう。心理療法と、心理学と、検査は、別のものである
  • 人名と心理療法の組を、取り違えてしまう。ジェンドリンは、フォーカシング。ブリーフセラピーではない

8限目②のまとめ

まとめる。マズローは、欲求を、5つの階層に並べた。下の4つは欠乏欲求で、頂点が、自己実現の欲求である。ジェンドリンは、フォーカシング。パールズは、ゲシュタルト療法である。フェルトセンスと、図と地、今、ここでが、キーワードである。フランクルは、実存分析、ロゴセラピー。バーンは、交流分析で、4つの分析がある。

次の回は、9限目、知能と査定である。知能検査の分類から、始める。

院試ではこう問われる(この動画のまとめ)

  1. マズローの欲求階層説 ― 生理的・安全・所属と愛・承認・自己実現の5つ。下の4つが欠乏欲求で、頂点が自己実現の欲求。ロジャーズの実現傾向とは別の語
  2. 人名と療法の組 ― ジェンドリン(Gendlin)=フォーカシング(フェルトセンス)、パールズ(Perls)=ゲシュタルト療法(図と地・今、ここで)、フランクル(Frankl)=実存分析(ロゴセラピー)、バーン(Berne)=交流分析。英字のつづりでも選べるように
  3. 取り違えやすいもの ― ゲシュタルト療法・ゲシュタルト心理学・ベンダー・ゲシュタルト検査は別のもの。実存分析と現存在分析(ビンスワンガー)も別。交流分析は構造分析・交流パターン分析・ゲーム分析・脚本分析の4つ

8限目②の課題:頻出語の200字と、論述800字

動画の終わりで出している課題と同じです。どちらも、院試の出題の形に合わせて、この塾で作った課題です。

課題1 用語説明(各200字)
この動画の終わりに出てくる頻出語(10語)を、1語ずつ200字で説明してください。「ひとことの定義・しくみ・日常の例・似た語との違い」を入れると、200字になります。

課題2 論述(800字)
ロジャーズ以降の人間性心理学から、2つの療法または理論を選び、人名との組とともに特徴を説明し、ロジャーズの来談者中心療法との違いにも触れて論じなさい。日常の場面の例を1つ用いること。

段落は3つで書けます。1つめは、選んだ1つめの心理療法または理論と、人名との組。2つめは、選んだ2つめの心理療法または理論と、人名との組。3つめは、来談者中心療法との違いの順です。

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『新・心理学の基礎知識』の表紙

新・心理学の基礎知識

中島義明・繁桝算男・箱田裕司 編/有斐閣ブックス(2005年)

この回のマズローとジェンドリンを、院試の論述の形で引ける1冊です。心理学の全領域を、1つの問いと、その答えになる解説の小項目で整理した基礎知識集です。動機づけの項目に、マズローの自己実現の理論があり、欲求階層説の5つの欲求と、欠乏欲求の考え方が、論述の形でまとまっています。臨床の章には、人間性心理学がマズローから始まり、ロジャーズのクライエント中心療法を経て、ジェンドリンのフォーカシング指向心理療法へ発展していく流れを述べる項目があります。院試の範囲をほぼ覆う本なので、ほかの限目の復習にも使えます。なお、ゲシュタルト療法、実存分析、交流分析は、この本では、まとまった項目として確認できていません。その部分は、この動画とテキストで補ってください。

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この授業について
大量の過去問を AI で分析し、大学院と院試専門の塾で教えていたスタッフが制作・監修しています。ナレーションは合成音声です。公開前に人が内容を確認しています。
知識は AI で広く。関係は人で深く。知識は無料で届けます。心のことは、人から、関係の中で学ぶものだと考えています。AI の時代に心理士を目指す人にこそ、対面で、人との関係の中で受けるスーパービジョンと師弟関係を大事にしてほしいと思っています。
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この記事を書いた人

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FromU 心理支援ラボの編集チームです。臨床心理系大学院で教えてきた教員と、心理面接に携わる公認心理師・臨床心理士が、院試塾のテキストと講義を作っています。知識は無料で広く。心のことは、人から、関係の中で。ラボでは、スーパービジョンと学びの場を開いています。

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