発達論2_イヤイヤ期の発達
フロイトの精神性発達理論
・源泉 肛門、尿道口
・対象 母親の愛情
・目的 対象の保持と排泄
・1歳半~4歳
・大便の貯留と排出に象徴される時期。肛門括約筋のコントロールが可能になる。トイレットトレーニングが始まる。自己および対象のコントロール・サディズム・マゾヒズム、能動性と受動性の対立や葛藤がテーマとなる。清潔・几帳面・自己コントロールなどの自我の働きの訓練が行われる。
エリクソンのライフサイクル論
幼児前期(肛門期(3,4歳):自律性VS恥・疑惑)
トイレットトレーニングによる諸活動の中で「自律」を獲得するが、失敗すると「恥・疑惑」の感情が子どもに植え付けられる。この時期には、決断に際してどう判断してよいかと迷い葛藤する中で自分の意志の力を獲得する。
マーラーの分離個体化理論
1.分離個体化の前駆段階
正常自閉期(生まれた直後の数週間)
新生児は子宮内環境から現実外界環境に慣れていく必要があり、そのためには外部刺激から保護される必要がある(刺激防壁)。この外部刺激から守られている状態を概念化して正常自閉期と呼んだ。自他が未分化。
正常共生期(2~5ヶ月)
乳児はやがて体験を快不快に2分類するようになる。そして欲求充足対象をボンヤリと意識しはじめる。
乳児は母親と未分化ないし融合した状態で、母親と自分が2者結合体であるかのように振る舞う。この段階では対象は部分対象(全体的なまとまりや一貫性、連続性に欠き、ただ欲求を充足させてくれるだけの対象)にすぎない
2.分離個体化過程
分化期:4,5~12ヶ月
身体的成長に伴って、幼児の母親に対する身体依存は低下し、現実の世界に関心が向きだす。「母親であるもの」と「母親でないもの」の識別ができるようになり、それと共に人見知り不安が起こってくる。
練習期:12~18ヶ月
歩行が可能になり、母親との身体的分化が急激に進む。母親との特別な結合が確立された結果、母親からはなれて自立的な自我機能を発揮できるようになる。母親を根拠地としてエネルギーを吸収しては外界に出るといった往復運動をする。
再接近期:15~24ヶ月
自由な一人歩きが可能になると、喜びと同時に分離不安が高まってくる。自律への衝動と母親への再合体願望との間で葛藤が起こる。母親から離れたり、近づいたりといった往復運動を通して、母親から飲み込まれるでもなく、見捨てられるでもない心理的な距離を見出していく。母子相互関係がうまく培われない場合、極端な後追いや無鉄砲な飛び出しなどが見られる。
個体化の強化と情緒的恒常性の出現の時期:22~36ヶ月
再接近期までは欲求不満や分離不安時に、自己を安定に導く対象像の保持ができずに、その対象像は「すべて良い」および「すべて悪い」部分対象像に分裂していた。そのために自律的に不安を調整できず、調整を肩代わりする母親を必要としていた。安定した愛情対象としての母の表象が内在化されると、対象恒常性(対象の悪い側面が見えたり、離れていても表象が維持されること)が確立される。その結果、母親の不在の時に、その表象を保持するばかりでなく、また対象のいい面と悪い面は一つの中に統合されるため、母親の悪い面が見えても母親の表象は維持される。そのような情緒的な対象恒常性が確立された結果、母親がいなくても平気になり幼児は1人で遊ぶことができるようになる。
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