発達論1_愛着を中心とした最早期の発達(アタッチメント)

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アタッチメントとは

アタッチメントとは、誕生直後から子どもが養育者との相互作用により形成される情緒的絆のこと。ボウルビィは人間の乳児には他者との結び付きをもとめ、それを維持しようとする行動システムが生まれつきそなわっていると仮定した。その行動と、特定の養育者のタイミングのよい適切な養育行動とが結びつくことによって、乳児にはその特定の養育者に対して接近を維持しようという情愛の絆(きずな)が生まれてくるとした。

 ・スピッツ⇒ボウルヴィ

フロイトの精神性発達理論

口唇期(Oral phase)

  • 源泉 唇と口腔
  • 対象 母親の乳房、手、腕、胸その他、自分の身体
  • 目的 取り入れと投影
  • 0歳~1歳半
  • 口唇部位の活動によってリビドーが充足される。吸う・のみこむ・吐き出す・かみつくなどの行為に象徴される時期。外界を自己の中にとりいれ、とりこみ、合体する働きと、自己の不快な感覚や存在を外界に吐き出し、投げ出し投影し、自己から分離する自我の働きが芽生える。

エリクソンのライフサイクル論

〇 乳幼児期(口唇期(0-3歳):基本的信頼感VS不信)

 この時期に母親を中心とする養育者から養育される中で、健康的なパーソナリティの基礎となる「基本的信頼感」を獲得する。この信頼感が子供の中に同一性の感覚の基礎を形成する。これに失敗すると「不信感」に特徴付けられる自己になる。

ストレンジ・シチュエーション

(Strange Situation Procedure)

エインズワース(Ainsworth, M.D.S.)により行われた愛着の個人差を研究する方法で、乳児(1歳児)が母親との再会・分離場面(母親と見知らぬ部屋(実験室)に入室し、見知らぬ人物に会い、しばらくして母親が戻ってくるという方法)で乳児がどのような反応をするのかを検討する。この反応は、①回避型②安定型③アンビバレント型④混乱型に分けられる。

Adult Attachment Interview(AAI)

Mainらは、成人期のアタッチメントの個人差を測定する方法として、半構造化面接であるAdult Attachment Interview(AAI)を開発した。この方法は、乳幼児のSSPでのアタッチメント分類と、その養育者がアタッチメントに関しての語りとの間に関連があることが見いだされ、その語りの特徴を捉えるために考案された。

虐待

虐待(ぎゃくたい、英:abuse, maltreatment)とは、むごい扱いをすること。繰り返しあるいは習慣的に、暴力をふるったり、冷酷・冷淡な接し方をすること。具体的な内容は様々で、肉体的暴力をふるったり、言葉による暴力をふるったり(暴言を浴びせたり、侮辱したり)、いやがらせをしたり、無視をする、等々の行為を繰り返し行うことを言う。

  • 身体的虐待
  • 心理的虐待
  • 性的虐待
  • ネグレクト(育児放棄・無視)

・虐待による影響⇒身体的、脳、心理的影響。PTSD(心的外傷後ストレス障害)、愛着障害、知的障害

・発生因子⇒親の要因。低い社会経済的地位、親の精神病理・心理的問題、親の犯罪歴、離婚

反応性愛着障害

・5歳以前に始まる対人関係性の持続的障害である。

・ほぼすべての場面を通じて見られる。

・抑制型と脱抑制型がある。

 抑制型  原因:虐待などの不適切な養育

      特徴:乏しい反応、他者への関心の欠如、強い警戒心、攻撃性

 脱抑制型 原因:早期の母性的養育の欠如

      特徴:無選択な愛着行動、不適切な馴れ馴れしさ

愛着とその障害

・レベル1 安定型

・レベル2 不安定型(回避型、両価型)

・レベル3 混乱型

・レベル4 アタッチメント関連障害

・レベル5 反応性愛着障害

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沢 哲司(医学博士/臨床心理士/公認心理師)のアバター 沢 哲司(医学博士/臨床心理士/公認心理師) 医学博士/臨床心理士/公認心理師

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