〇〇〇なものが同じだと好きになる!?

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共通点が多いと親近感を覚える!?(類似性の法則)

みなさんは、初対面の人と、出身地や趣味などの共通点を見つけた途端に、急に親近感を覚えた…というような経験はありませんか?

「類は友を呼ぶ」というように、人は自分と共通点を持つ人と仲良くなる傾向があります。

これを心理学では、「類似性の法則」といい、相手との共通点が多くなるほど強力に作用すると言われています。

これは、皆さんもなんとなくおわかりかと思います。

ちなみに、「夫婦の共通点」について、「株式会社パートナーエージェント」が2018年に調査をしています。
(20~69歳既婚男女530名を対象にしたネット調査)

この調査によると、「価値観が同じ」夫婦ほど、結婚して幸せを感じていることがわかっています。

これは、夫婦だけに限らず、恋人や友だち、同僚にも同じことが言えるかと思います。

言い換えると、好きなものが同じ方が人間関係は上手くいくということかもしれません。

バランス理論とは!?

これについては、「(認知的)バランス理論」で説明ができます。
バランス理論とは、「対人関係」について、心理学者のフリッツ·ハイダーが1958年に提唱したものです。

自分を(P)、相手を(O)、対象を(X)とし、その関係性を扱う「P-O-X理論」ともいいます。

こうやってアルファベットが並ぶと…なんだかややこしい感じがしてしまいますが、安心して下さい。
この理論は、とてもシンプルなものです。

簡単にいうと、この理論では、人間はバランスが取れた状態を好むものだと考えます。

たとえば…(具体例)

たとえば、Pさんが好きな異性Oさんがいたとします。
Oさんは映画Xに興味があることに対して、
PさんはXという映画にあまり興味がなかったとします。
この状態を、「興味ある(好き)」をプラス
「興味ない(嫌い)」をマイナス

…で表して、それぞれの記号を掛け算したときに、

結果がプラスになれば、「バランスの取れた状態」、
マイナスになれば、「バランスが取れていない状態」
となります。

つまり、PさんはOさんを好きというプラスと、
Pさんは映画Xが興味ないというマイナス、
Oさんは映画Xに興味があるというプラスを
掛け合わせると…
記号の計算結果は「マイナス」になります。

つまり、このケースでは、バランスが取れていないので、ストレスが生じることになります。

では、どうやってバランスを取るのかというと…非常にシンプルです。

たとえば、Pさんが「映画Xに興味を持つこと」で解消されます。

つまり、Pさんはもともと映画Xに興味がなかったけど、大好きなOさんが好きなものなら、試しに一回みてみようかなーと興味を持ってみることです。
そしたら、「意外と面白かった」…というような感じでバランスが取れます。

アオジュン考察1(好きなものが多すぎる場合の問題点とは!?)

皆さんもこんな感じの経験ありませんか?

例えば、好きな人がよく聞いている音楽をいつの間にか好きになっていたり…

付き合っている人の好みのジャンルのファッションに寄せてみたり…

仲の良い友達に誘われて同じ趣味を始めてみたり…

これは、みなさんがその相手と自然にバランスをとった結果かもしれません。

でも、同じ音楽や同じファッションとか、同じ趣味とか…
たとえば、なんでも友達に真似されると、それはそれで不快な気持ちになる人もいるんじゃないでしょうか?

つまり、人と仲良くなるためには、好きなものが同じというポイントも必要ですが…
それだけではなく、「嫌いなものが同じ」という観点も加えてみると、より良い人間関係につながるためのヒントになるかもしれません。

アオジュン考察2(嫌いなものが同じだと好きになる!?)

さきほどのバランス理論によれば、「嫌いなものが同じ」ということも、バランスがとれた状態になります。

例えば、友だちから彼氏の愚痴を聞いているうちに、直接知らないその彼氏に嫌悪感を覚えてしまったり…

居酒屋で同僚と嫌いな上司の悪口を言い合っているうちにいつのまにか仲良くなったり…

これも、自然にバランスをとった可能性が考えられます。

嫌いなものが同じというのはそれくらいパワーがあるということです。

ちなみに、これは決して悪口を言い合いましょうというわけではありません。

そちらについては、別動画の「愚痴を言ってはいけない理由」をご覧ください。

ここで言いたかったことは、嫌いな物が同じような感覚を持った人の方が、
より仲良くなるということです。

それこそ、たとえば、職場で悪口をいう人と、言わない人がいるかと思いますが…悪口を言わない人は、悪口を言うこと自体が「好きではない」ということが少なからずわかるはずです。
なので、もしあなたも「悪口を言うことが好きではない」場合には、後者の人の方がより仲良くなれるはずです。

要するに、好きなポイントも嫌いなポイントも、多い方が相手を好きになるいうことです。

言い換えると、「価値観が似ている相手」の方が、より人間関係は上手くいくということになります。

これは、最初にお伝えした「パートナーエージェント」の調査結果である、「価値観が同じ夫婦」ほど、幸せを感じているという結論と同じことになります!!

なんだか、当たり前の結論になってしまいましたが…
特に初対面が苦手な人は、バランス理論を意識的に使うことで、対人関係の助けになります。

まとめ

最後に「バランス理論」を簡単にまとめます。
「バランスが取れていない場合」の対処について、主に3つの方法があります。

一つ目は、対象に対する「自分の態度を変える」こと。
さきほどの例だと、もともと興味なかった映画Xに「興味を持つ」ことです。

二つ目は、対象に対する「相手の態度が変わる」こと。
さきほどの例だと、Oさんに映画Xを嫌いになってもらうことですが…
これは現実的ではなさそうです。

三つ目は、相手との関係を変えることです。
つまり、相手を嫌いになったり、相手との交友関係を断つことです。

…もうおわかりですね。

相手と仲良くなりたかったら、一つ目の「自分の態度を変える」しかありません。

たとえば、友達が勧めてきたマンガがあったら、試しに読んでみて感想を伝えてみるとか、

ビジネスシーンでは、お客さんがおいしいと話していたお店が話題にあがったら、いってみておいしかったと伝えてみるとか…

あなたが逆の立場だったら、嬉しくなるはずです。

そして、その相手に少なからず好感を持つかと思います。
ここで、さらに、相手の嫌いなポイントと自分の嫌いなポイントが似ていたら、もしかしたらより仲良くなれるかもしれません。

ちなみに、この「嫌いなものが同じだと好きになる!?」」はアニメーション付き動画として、youtubeで解説しています!

よかったら併せて見て頂けると幸いです!より参考になるかもしれません!!最後までお付き合いいただきありがとうございました!

アオジュン心理学研究所でしたーーーー!!

参考文献(サイト)

・亀田達也監修 『眠らなくなるほど面白い 図解 社会心理学』 日本文芸社 2019年
・株式会社パートナーエージェント『夫婦の共通点』パートナーエージェント2018年

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この記事を書いた人

株式会社カノン・エージェンシーと株式会社ミライト・レンタリースの経営をしております。本業の傍ら、心理系大学院&fromU & 独学で心理学を勉強中です。みなさんに役立ちそうな心理学に関するテーマをアップします!!

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