発達障害を持つ子供をどう就職させるか【母としての事例】
はじめまして、心理職を目指し勉強中の学生です。発達障害のお子さんがいる方は最近多いと思います。私の子供も発達障害ですが、広範性発達障害(アスペルガー症候群)の子供がおり、成人に達していますが、大学に進学もしなければ、未だに就職もできていません。世の中には、自分が元気なうちに就職して、経済的に安定してほしいと思っていらっしゃる方は結構いるのではないかと思います。そこで、どのようにして発達障害の子供を就職させるように持っていくか、自分の考えをまとめてみました。
発達障害を持つ子供をどう就職させるか
親の心の持ち方
広範性発達障害を持つ人は成長がゆっくりです。実年齢の-10歳と言われますが、体は大人で、精神も未熟な部分と成熟している部分が混在しているので、つい正常な同年齢の人と比べてしまいます。しかし、能力がアンバランスなので、普通の人と同じようにはできず、社会性がないと言われ、就職についても不利になります。親としては、障害を理解し、心理学も勉強して、後10年たてばもう少し成長して大人になると自分に言い聞かせ、絶対に子供の就職をあきらめないことです。
職業訓練所の活用
子供は、高校卒業後、障害者を対象とした職業訓練施設に通い、就労移行支援を受けながら職業訓練を続けています。その施設は臨床心理士の先生が所長となり、何人かのスタッフが障害者の訓練をサポートしてくれています。資格の勉強を見てくれたり、どの作業が本人に向いているか適性を見てくれたりと、スタッフの方々の支援により、何とか訓練を続けています。一日、正味約5時間弱ですが、集中力が続かず、遅刻したり、勝手に早引けしたりもしますが、とにかく毎日訓練所に通い、決められた時間を訓練所で過ごせることを目標にしています。親が働いている場合、訓練所の支援がないと、ここまでできないと思います。今年で3年目となりますが、目標を達成するまで続けるつもりです。
服薬管理
広範性発達障害の方は、その症状や程度により薬を飲んでいると思います。自分の子供はエビリファイやリスペリドン、インチュニティブを飲んでいますが、1日でも飲み忘れるとイライラして、キレて周囲の人に当たり散らしたり、暴力をふるったりします。子供は薬をよく飲み忘れますので、毎朝夕、薬を飲んだのか声をかけます。子供が薬を飲んだことを記録できればいいのですが、記録も忘れるので自分が毎日確認しています。
職業訓練にも影響しますので、忘れずに薬を飲ませ、安定した精神状態を維持できるように支援することが大切だと思います。
以上、簡単に自分の考えをまとめてみましたが、同じようなお子さんを持つ方々の参考となれば幸いです。
FromU戦略心理研究所のホームページに、とても参考になった記事がありますので、よろしければ読んでみてください。
専門家としてのコメント
執筆ありがとうございます。本サイト運営者で臨床心理士/公認心理師の沢です。当事者の記事は、ひとつの事例ではありますが共通する大事な部分がみえてきます。ケース別にそれぞれの物語があって対応もそれぞれと思うのですが、本記事から理解できる大事な姿勢は次のように感じました。それは、【親の心】【職業訓練】【服薬管理】と、それぞれ心理・社会・生物学的に多視点的に子どもの成長・就労を考えてらっしゃるということです。多くの事例があるなかで、子どもに合った鍵穴を探すようにそれぞれの部分でオーダーメイドに向き合っている姿が想像できて頭が下がります。記事の紹介もありがとうございます。紹介記事は、鍵穴探しのヒントになればと執筆しました。
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