大学で論文を書くことは料理を覚えることに似ている 〜基礎から専門へ〜

大学の卒業要件では、多くのところで卒業論文(卒論)が必修になっているところがあります。もちろん、卒論を書かなくても卒業できる学部・学科もありますが、大学は学問を修めるところですので、卒論として自身の学んできたものをまとめる作業というものは、今後の人生においても重要な要素だと考えます。

大学院修士課程に進学すれば修士論文(修論)、博士課程まで進学すれば博士論文(博論)を書くと思います。これにより修士(◯◯学)、博士(××学)の学位を取得できるわけです。
資格によっては大学院(修士課程)を修了していないと取得できないものもあります。例えば司法試験受験資格や臨床心理士などです。

学部と違い、大学院は研究を行うことが前提ですので、その成果物である論文を書くことが必要となります。
さて、卒論、修論、博論とありますが、過程や成果、内容の専門性などを考えると、これは料理に似ているような気がします。

  • 卒論:料理の基礎(包丁の使い方、食材の処理の仕方、簡単な料理など)
  • 修論:一般的な家庭料理(唐揚げ、麻婆豆腐、ハンバーグなど)
  • 博論:専門的な料理(フランス料理、中華料理、イタリアンなど)

学部生の卒論であれば、その分野での基本的な料理の仕方を学ぶということになります。もちろん、家庭料理や専門的な料理を食べることはできますが、それを作る・再現するということは難しいレベルです。修論であれば、よく食べている基本的な家庭料理は作れるが、専門的な・手の込んだ料理は作るのが難しいということになります。博論であれば、何らかの専門分野の料理を独創性をもって作成できるレベルということになります。

ここで専門分野というのが2つ考えられます。一つは学部・学科といった専門分野です。文学、経済学、心理学、体育学などですね。もう一つはその学部・学科の中の専門分野です。筆者は体育・スポーツが専門なのですが、体育分野でも、運動生理学、スポーツバイオメカニクス、スポーツ方法学、スポーツ政策学、スポーツ心理学、スポーツ哲学、など様々なものに分かれます。

つまり、学部→修士→博士と進学することにより、料理の基礎→家庭料理→専門的料理と学んでいくことになります。専門的料理はその分野での専門性となり、イタリアンを極めるのか、和食なのか、中華なのか、と様々になります。
もちろん、料理ができるということ(学位を持っている、その勉強をしている)ことは一つの武器となりますが、料理で考えると自分自身で作るだけでなく、お店で食べる、買って帰るなどできますよね。また、料理は作れなくても、その料理がどんなものなのか、どのような食材・調理法なのか、ということは、料理を深く知ることでなんとなくわかってくるのと同様に、研究や論文というものも、一つの料理を極めれば(博論の作成)、他の料理もある程度理解したり考えたりすることはできます。

近年は、社会人経験者が学び直しの機会として大学に再入学する、社会人大学院に進学する、大学院でMBAを取得するなど、様々な選択肢が増えています。社会人をしながら、大学卒業、大学院修了するのは大変であることは想像に難しくありません。しかし、料理の基本しか知らなかった人がもっと上の料理ができるようになる、お店の料理を食べて、自分で作り方や食材などが理解できるようになるというのは、その後の仕事やキャリアアップにとっても重要なことだと思います。

最初に卒論を書かなくても卒業ところもあるということを書きましたが、料理はその人にとっての武器です。書かない場合でも、書ける能力をもっておくことは必要ですよね。料理は買って食べる・お店で食べるから作らなくていい、というのではなく、作れるけど買っても食べる・お店でも食べるという方が良いとは思いませんか?

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この記事を書いた人

博士(体育科学)/さまざまな分野で活用できるコーチングをスポーツの観点から発信/専門はコーチング、トレーニング、運動生理学/大学でトレーニング系・スポーツ系講義を担当/

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