仕事における動機についてコーチングの視点から考えてみる

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目的と目標

仕事における動機というものは重要で、目的/目標達成のためにいかに動機を作り上げていけるかということがあります。例えば、自身の目的として「経営に携わり、会社に貢献したい」と考えている場合、それまでの過程として「課長に昇進」「部長に昇進」「プロジェクトを遂行して成果を出す」「部下を育てる」など様々あります。これが目的を達成するためのステップ/過程としていくつかの目標となります。

まず、目的と目標の違いについてですが、目的とは「最終的に達成したい事」となります。そして目標とは「目的を達成するための過程での到達点」となります。つまり目的を達成するために複数の目標を立て、様々な手段を講じてそれをクリア/達成していくこととなります。

仕事における動機

ほとんどの会社の場合、上位管理職になれない限り経営に携わる重役にはなれないでしょう。ですので、まずは一番近い管理職になることが大きな目的を達成するための目標となります。課長という目標が達成されれば次は部長に、小さなプロジェクトを成功させられれば次はもう少し大きなプロジェクトに、、、という形でいくつかの目標を達成することによって、自分の目的に到達することができると思います。なので、どのようにして目的を達成するための動機を形成していくかが重要になります。

その一つには上記にあるように目標を一つずつ達成することが動機にもなり得ます。また、「成果を出す」「昇進する」という動機によって、仕事へのやる気も出てくるでしょう。ただし,その仕事自体に対しても目標達成というだけでなく動機が必要となります.「なんのための仕事なのか」「会社/自分/社会にどのようなメリット/利益をもたらすのか」「この仕事をするにあたって自分自身がどのように成長できるのか」などを明確化し、それを動機にすることができます。

具体的には、ある小さなプロジェクトを成功させることにより、①成功体験や達成感の獲得、②成果による報酬(給与/賞与)の上昇の可能性、③会社の利益向上のための成果、、、などが考えられます。ある意味報酬が上がることはモチベーション(動機)に繋がりますし、達成感を得ることによって次の仕事(プロジェクト)も頑張るぞ、といったモチベーション(動機)にも繋がります。つまり、大きな目的のために様々な目標を設定し,そこから得られるであろう結果をイメージすることで動機を形成することができると考えられます。その動機によって様々な方法や手段が考えられ、仕事に還元できるのではないでしょうか。

上司視点での動機の設定

この動機を設定するにあたって、まず上司側の視点で考えてみましょう。上司としては部下に成果を出してもらうことが重要になります。もちろんそれが上司の評価にもつながってきます。部下のモチベーション/動機を高めるためには、評価を与えることや報酬につなげることが挙げられるでしょう。

しかしながら、評価や報酬は一過性のもので、外的な動機づけでもあります。本人の内的な動機づけができれば、いいと考えられます。それは本人の仕事に対するやりがいであったり、任されているといった責任感、仕事自体が楽しい、達成感が得られるといったものになると思います。これを部下に感じさせるために、また部下に達成してもらうために上司としては、①本人に対して達成できるであろうタスクを与える、②その仕事が完遂でき達成考えられるようにサポートする、③その仕事に対して本人の能力が向上したり次の仕事につながるような内容を振る、、、などを行っていくこと重要となります。具体的な内容は様々なところで(Webサイト等で散見できますが)述べられていますが、コミュニケーションをはかる、進捗状況の確認や内容の確認、その仕事の結果から得られることを明示するなどあります。

部下視点での動機の設定

次に、部下側の視点から考えてみましょう。部下としては仕事で成果を出し、上司に認めてもらうことが重要になります。それは会社への貢献であったり、仕事への達成感、仕事上のスキルの向上や知識の習得などにつながっていきます。上司に認めてもらうことによって給与査定などにも影響を与えますし、昇給・昇進にも関与してきます。ただし、これは上司から振られる仕事内容が適切な場合によります。また、上司の指示やコミュニケーション、フォローアップなども影響してくるでしょう。

指示型やコーチ型の上司の場合は、それらを適切に活用し、部下への配慮が十分である場合もありますが、放任型、援助をしない委任型の場合、部下は仕事内容で迷う/困るなどした場合、仕事に遅れをきたすことやタスク自体を達成できずに終わってしまう恐れがあります。受け身の部下であればそこで何もしないで終わってしまい、評価が下がる、やりがいがなくなる、やる気が無くなる、、、など、負のスパイラルに陥ってしまうかもしれません。

そうならないようにするためには、上司とのコミュニケーションを取る、わからない場合はできる限り速やかに質問を行う、仕事の一部を他の人に回してもらう等の行動を起こさなければなりません。しかし、上司の場合と同様に、動機づけをきちんと行うことによって、それらを行いやすくすることはできると考えられます。それは、①仕事を任せてもらっているという責任感や仕事を遂行してやるという義務感、②この仕事を行うことによってスキルや評価につながるであろうと考えること、③とりあえず仕事をこなしてみてその中で面白みを探し出す好奇心、、、など考えていけることは多々あります。上司からの評価などは外的な動機づけですが、責任感やスキルの向上、好奇心というものは内的な動機づけとなります。

上司が部下に対しておこなうマネジメントは、いわゆるコーチングといわれる手法で行うことができます。特に会社での部下に対しては指示型やコーチ型といわれるコーチングが有効になります。

コーチングにおける指示と援助から見る指導の型

セルフコーチングによる自分改革

しかしながら、上司にも部下にも共通して言えるのが、いかに自分自身をコーチングしていけるかというセルフコーチングをおこなっていくことです。部下視点のところでも記載しましたが、責任感を持ってやりきることや、振られた仕事からなにか発見がないかと考える好奇心、仕事を遂行することによって得られるスキルが有ると考えるようにすることがセルフコーチングであり、動機づけとなります。上司の場合は責任感を持って部下を育てたり、部下の特色や特徴を発見・把握しそれを活用する努力をすることとなります。セルフコーチングをすること自体に動機が必要となると思いますが、自分自身の成長や能力を発揮したい、上司に認めてもらいたいという欲求をうまく活用することで、行えると考えられます。

中々自分の弱さに勝てないという人も多いかと思いますが、まずは目的・目標を設定し、手段を考えてみて、自分自身をコーチングすることにより、少しでも上の、少しでも新しい自分になってみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

博士(体育科学)/さまざまな分野で活用できるコーチングをスポーツの観点から発信/専門はコーチング、トレーニング、運動生理学/大学でトレーニング系・スポーツ系講義を担当/

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